英語の歌をモノにしたい!

私、鈴木智香子は子供の頃からなぜか邦楽よりも洋楽が好きで、音質の貧弱なラジカセで洋楽番組が始まると耳をくっつけて聴いていました。

 

最初は聴いているだけで満足していましたが、しだいに子供なりに歌手の声色をまねたりして歌を歌うようになり、『おどりぶしゃーん、エンざすかーいずグレー♪』と、当時ちょうどCMの影響でリバイバルヒットしていたママス&パパスの『カリフォルニア・ドリーミング』を、恥ずかしいので家族や友人にも誰にも聴かせることなくフトンの中で歌っていました。ずっと後になって正確な歌詞を手に入れる機会があり、その部分がAll the leaves are brown, and the sky is grayだと知りました(笑)

 

子供の頃の情報が乏しかったせいもありますが、誰からの正確な指摘もなく、知ろうも思わず、正確さには程遠い状態で、純粋な憧れだけで体当たり的に好きな曲を覚えて歌っていました。当時覚えたものは今でも歌えます。ただ一方で不思議だったのが、いざ洋楽カラオケで歌おうとすると全く歌えませんでした。刻々と色が変わっていく歌詞を追っかけるのが凄く苦痛で、結局カラオケ画面から目をそらしい加減に歌ったことを覚えています。

 

やがて大人になり、ジャズボーカルを習い始めた時、戦後の日本人ジャズ歌手も同じように主に耳でスタンダード曲を覚えて歌っていたという事実を知って、とても嬉しかった覚えがあります。最近も美空ひばりが英語で歌う『ラ・ヴィ・アン・ローズ』を聴いて感激したばかりです。

 

歌の意味も正確さもおぼつかない状態でとにかく耳の感覚から入る(歌詞や解釈は後付け)…日本人にとって外国の曲を覚える方法って、とどのつまりこういうことだな、と納得したのです。後にMTVの時代となり、ヴィジュアル要素までもヒット曲を覚える為の助けに加わりました。

英会話ができれば英語の歌も流暢に歌えるようになるのか?

「(より本格的な歌を歌いたいので)英会話も習い始めました!」と張り切っている生徒さんの歌っている様子を拝見していると、正しい発音に加えてリズムだの音程だの発声だの『やることや考えることが多すぎ』て疲れてしまい、結局は歌を歌うことが『作業を乱れなく遂行すること』となってしまうのです。

 

しかし、聴いている人達は、別に正しい発音や発声や音程かどうかを常にジャッジしながら聴いているわけではなく、耳心地の良さや高揚感など、貴方の歌の中に快楽を求めているんです。歌い手はその気持ちよさや高揚感を提供しています。そして歌い手自身も自分が発するメロディやリズムを快感だと思える瞬間があるから歌っていたいんでしょうね。

 

聴き手の求めているものが心地良さや高揚感だとするならば、そこに自身の勉強の結果やそこから得られた正しさを提供するのは、果たして聴き手にとってハッピーなことなのでしょうか?

 

もちろん英会話はできるに越したことはありませんが、歌を歌う分野では、その部分はあくまで部分であって、決して真っ先にアピールすることではない、と聴き手の反応を見ればしだいに見えてくると思います。「英語の発音上手ですね。」よりも、「いい歌ですね!」と言われたいですよね。

実は、歌詞の内容を全部把握しているわけではありません…。

また意外だと思われるかもしれませんが、ネイティブスピーカーでも曲によっては歌詞を聴き取れない各単語やフレーズは聞き取れても全体の意味が分からないと仰る方も現実にいらっしゃいます。「ネイティブだから当然分かるだろ?」というのはこちらの勝手な希望的観測に過ぎないのです。

 

例えば逆に私達はあの『踊るポンポコリン』や井上陽水や小椋佳の歌を、その世界観を含めて外国人に尋ねられて説明できますか??聴いている方としては、歌詞の深い内容なんてまず考えたことがないですよね。

このレッスンについて更にご興味を持たれた方は、引き続き以下の記事をご覧ください。